毎日が停滞のような気分も続く中、毎日いろいろ考えるけど、コロナの余波で思わぬことに巻き込まれたりもする。そして普通じゃない時には普通に考えるのが難しい。
なかなか毎日変わらないと思っていても、振り返ってみると自分の心境は毎日変わっていく。
やろうとしていることは変わらなくても、心境が変わるとアプローチが変わってくる。池の中に落ちている石をどうやって取るか、濡れてもいいからそのまま水の中に手を伸ばして取るか、網を使って取るか、ボートに乗って取るか。あるいは取らないで眺めているか。
結果を焦って見ようとするよりも、毎日毎日の自分の心境の変化に注目した方が良いような気がしている。僕にとって心境の変化がわかりやすいのは、聴きたい音楽が変わる時だ。
何かを考える時、作業をする時、本を読む時など、大抵音楽を聴きながらのことが多い。当然、その時の状況、気分などによって聴く音楽が違ってくる。
でも、前の日まで繰り返し聴いていた音楽がぷつりと聴きたくなくなって、まったく違う音楽を聴く時がある。そして繰り返しその音楽を聴いていると、またそれを聴かなくなる時が来る。するとまた別の音楽を聞く。そしてまた前に聴いていた音楽に戻ってくる。
そしてまた過去に聴いていた音楽に戻ってくると、自分の聴き方も変わっていることに気がつく。その時に、ああ、前に聴いていた時と心境が変わったんだなと思う。
僕はいろんなアーティストの音楽をとにかくたくさん聴く方ではなく、一定期間同じアーティストを繰り返し聴く(これを書いている今はLCD SOUNDSYSTEMを聴いている)。その音楽が自分の体に馴染むまで時間がかかるのかもしれない。あるいは音楽を感覚として体に染み込ませたいのかもしれない。
音楽に限らず、何事も、ぐーっと近づいてのめり込んで、その後で距離をとることで、少しずつ物事を掴んでいける気がする。我を忘れてのめり込む経験がないと、距離をとった時に奥行きが出ないんじゃないだろうか。
人間は少しずつしか変われないので、自分自身の変化も気づきにくいけど、昨日と今日では確かに変わっている部分がある。昨日わからなかったことが、今日わかることがある。
変わらないと思う部分を見てばかりいると気持ちが停滞してしまう。自分が変われないと思えば、人の足を引っ張りたくなるものだ。
停滞していると思っている時は信じられないかもしれないけど、人は変わる。どうせなら変わったと思う部分に注目して生きていきたい。